2025年5月22日
乳児湿疹とアトピーの違いとは？見分ける方法とよくあるQ&A
赤ちゃんに乳児湿疹ができると「乳児湿疹とアトピーは何が違うの？」「このままアトピーに移行したらどうしよう？」などの悩みや不安がこみ上げるかもしれません。
そこで今回は「乳児湿疹とアトピーの違い」についてご紹介します。見分ける方法やよくある質問についてもまとめましたので、ともに疑問を解消しましょう。
Contents
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は月齢が低いほど見分けるのは難しい
乳児湿疹は生後１年未満に起こり、生後2〜3か月ごろからよく見られる症状です。
アトピー性皮膚炎の方が乳児湿疹よりもかゆみが強く、慢性的な湿疹という特徴があります。しかし湿疹のできやすい部位や赤いぽつぽつとした湿疹などの特徴が似ているため、月齢が低いほど見分けるのがとても困難です。
乳児のアトピー性皮膚炎の診断基準
乳児のアトピー性皮膚炎は、どのようにして見分けたらよいのでしょうか？ここでは、日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」をもとに、アトピー性皮膚炎と診断基準をお伝えします。
かゆみがある
1つ目の特徴は「かゆみがあること」です。
アトピー性皮膚炎は乳児湿疹と同じくかゆみが伴います。
皮疹とその分布が特徴的
2つ目は「皮疹とその分布が特徴的」です。
乳児の場合には、顔や頭から湿疹が始まり、しばしば体全体や、両手・両足へと下がっていきます。さらにアトピー性皮膚炎の湿疹は、左右対称に発症する傾向にあります。
2歳未満の乳児で2ヶ月以上の皮疹がある
3つ目は「2歳未満の乳児で2ヶ月以上の皮疹がある」です。
アトピー性皮膚炎は慢性的に湿疹が継続します上記で紹介した症例に加えて、大人は6か月以上、２歳未満の乳児は２か月以上湿疹が続くことで、アトピー性皮膚炎と診断される傾向にあります。
なぜ発症する？乳児湿疹になる3つの原因
では、なぜ乳児湿疹になるのでしょうか？代表的な３つの原因を紹介します。
皮脂の過剰分泌
1つ目は「皮脂の過剰分泌」です。
胎児は胎盤を通して母親の女性ホルモンを浴びて育ちます。その影響で、母親のお腹の中から産まれた乳児は、皮脂分泌が増して、湿疹が起こりやすくなります。
皮膚の乾燥
2つ目は「皮膚の乾燥」です。
乳児の皮膚はとても薄く、機能もまだ十分に発達していません。そのため肌のバリア機能が十分に働かず、衣類の摩擦や吐き戻したミルクなど、ささいな刺激を受けやすく、湿疹に発展しやすい傾向があります。
汗による炎症
3つ目は「汗による炎症」です。
乳児はまだ体温を保つ力が未発達なため、寒暖差の影響を顕著に受け、汗をかきやすいです。そのため、すぐに着替えや汗のふき取りなどをしないと、炎症が生じ、やがてぽつぽつと赤い湿疹が出てしまうのです。
乳児湿疹からアトピー性皮膚炎に移行する？
ひとたび乳児湿疹になると、すべての乳児がアトピー性皮膚炎に移行するのでしょうか？ここで疑問を払しょくし、予防策を講じましょう。
乳児湿疹になるとアトピーになりやすい？
乳児湿疹になったからといって、すべての乳児がアトピー性皮膚炎になるわけではありません。むしろ適切な治療をすることで、湿疹は自然と治まることが一般的です。
ただし、乳児湿疹からアトピー性皮膚炎に移行することもあるため、注意しましょう。
アトピーに移行させないためにはどうしたらよい？
アトピー性皮膚炎に移行させないためには、なるべく皮膚を清潔に保ち、保湿を徹底することが肝心です。
洗いにくい関節や首回りなども、もこもこと泡を立てて汚れを落としましょう。入浴後は皮膚が乾燥しやすくなるため、早めにベビー用の保湿剤で顔や全身を保湿してください。
すでに湿疹が出ていたら、自宅でのケアだけでなく、早めに小児科や皮膚科の受診をしましょう。皮膚の状態に応じた治療を開始することが早期治療につながり、とても重要だからです。
乳児湿疹にまつわるよくあるQ＆A
「乳児湿疹はいつ発症しやすいの？」「どこに出やすいの？」など、乳児湿疹にまつわる疑問が尽きないかもしれませんね。そこで、よくある質問をまとめました。1つずつ見ていきましょう。
乳児湿疹はいつ頃からなることが多い？
乳児湿疹は、早いと生後2週間から発症します。しかし一般的には、皮脂の分泌の活発な2～3か月ごろによく表れます。生後1歳までに症状が出ることが多いでしょう。
乳児湿疹はどの部分に出る？
皮脂分泌のさかんな顔や頭に出ることが多いです。なかには背中や首回り、ひじやおむつの中にできることもあります。蒸れやすい箇所にできることが多いため、注意しましょう。
乳児湿疹になったらどうしたらよい？
乳児湿疹と診断されたら、皮膚を清潔に保ち、しっかりと保湿をすることが肝心です。乳児は大人よりも皮膚が薄いため、肌にやさしいスキンケア品を使うように心がけてください。
また、爪が伸びていたり、尖っていたりすると、引っ掻いた際に雑菌が入り込み、悪化する恐れがあります。こまめに乳児の爪を短く切りましょう。
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アトピーに移行させないよう皮膚を清潔に保とう
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は、見た目や症状が似ているため、特に月齢の低い時期には見分けがつきにくいことがあります。しかし、湿疹の持続期間やかゆみの有無、分布の特徴などを参考にすることで、判断の手がかりとなります。
乳児湿疹の多くは一時的なもので、適切なスキンケアや生活習慣の見直しによって自然に改善していきます。ただし、かゆみが強かったり、湿疹が長引いたりする場合はアトピー性皮膚炎の可能性もあるため、早い段階で保湿などのケアを行うことが重要です。
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